2013年1月27日日曜日

ミッション 元スターバックスCEOが教える働く理由


ミッション 元スターバックスCEOが教える働く理由

岩田さんはFacebookを通じて知ったのだけれど、「リーダーに贈る言葉」にいつも励まされて。

スターバックスはリッツにやけに通じるところがあるなぁと思って読んでいたら、ディズニーと一緒に出てきて、なるほどと思った次第。

p48
ビジョナリーカンパニー2』では、「ハリネズミの概念」という名称で、会社が目指すべき方向性を示しています。「情熱をもって取り組めるもの」「自社が世界一になれる部分」「経済的原動力になるもの」の三つの円が重なる部分を、会社としては目指しなさい、と。ハリネズミというのは、ひとつに集中してそこに向かいなさい、という意味です。三つの円が重なるところは何なのか。それを考えてみる。そして本質的なミッションができたとき、部下は「ついていきたい」とリーダーに対して感じ、自ら動き出してくれるようになると思うのです。
そしてこの考え方は、会社レベルではなくて、個人レベルにもいえるのではないかと私は思っています。情熱とはつまり「好きなこと」、世界一とはつまり「得意なこと」、そして経済的原動力になるとはつまり「人のためになること」。その対価としてお金をもらうことができるのです。「好きなこと」「得意なこと」「人のためになること」の三つの円の真ん中にあることを、個人のミッションにしてはどうかと思っています。
あなたも、ぜひ一度、自分のミッションについても考えてみてほしいと思います。

p53
スターバックスは、BHAG(ビーハグ)として次の言葉を掲げています。 「人々の心に活力と栄養を与えるブランドとして世界でもっとも知られ、尊敬される企業になること」(著者訳) BHAGとは、Big Hairy Audacious Goalの略。「社運を賭けた大胆な目標」です。ここには、「コーヒーを売る」とか、「売り上げや利益を追究する」といった言葉は出てきません。
学生でも、ビジネスパーソンでも、スターバックスに来たお客様が、リラックスできたり(活力を得る)、賢くなったり(栄養をとる)すれば、それでいい。
それは確実に世の中のためになっていることだから。人々のために、おいしいコーヒーと居心地よい環境を提供することを通じて、「人々の心に活力と栄養を与える」ことが、スターバックスのこの社会における使命なのです。

p55
スターバックス躍進の立役者のひとりで、私の大好きなハワード・ビーハーは、こう述べています。
「私たちは人々のお腹を満たしているのではない。心を満たしているのだ。」
コーヒー・ビジネスではなく、「ピープル・ビジネス」を追求する。すると、お客様の心を満たしていたつもりなのに、やがて、お客様からも心を満たされるようにさえなる。こうしてミッションを通じて、両者のあいだには本質的な結びつきが生まれます。顧客はファンとなり、商品を通じて、その企業の理念を買っていく。中には仲間に加わる人も出てくる。結果として、企業には十分なリターンが長期的に得られるようになる。 

p86
くつろいでほしい。ゆっくりリラックスしてほしい。そうした、極めてシンプルかつわかりやすいミッションだけが決められていて、その場その場で何をするべきかは、従業員に委ねられている。みんなが自分の頭で、お客様のために今何をすべきか考えるからこそ、ときに期待を大きく超える感動が生み出されるのです。
お客様を満足させるとか、ニーズを満たすとか、そんな目標では、人々を感動させることはできません。大きな愛を持って、大きく期待を超えていかなければなりません。 

p89
企業は、世の中をよくするためにある。
こうして文字にしてみると、とてもシンプルで、何ということもないように思えるかもしれません。しかしこの考えは、ある日突然、それこそ空から降ってくるように、大げさに言えば「天の啓示」のように、自分のところに舞い降りてきたのです。(中略)経営者にとって大切なことは、ミッション、ビジョン、そしてパッションだとよく言われます。私は、この中でもミッションが重要だと考えています。ミッションさえしっかりしていれば、よいビジョンが描け、強いパッションは自然とわき上がってくるはずです。 

p124
ミッションのある企業には、お客様だけでなく、よい人材も吸い寄せられる。その結果として、企業のミッションは、DNAに組み込まれていくのです。

p138
人々の心を豊かで活力のあるものにするためにコーヒーを売っている。つまり、コーヒーが手段で、人々の心の豊かさ、活力が目的。(中略)要するに、スターバックスはたまたまコーヒーを扱っているだけであって、目指しているのはコーヒー・ビジネスではなく、「ピープル・ビジネス」なのだということです。

 p141
スターバックスには、サービスに関するマニュアルがありません。代わりに、
「Just Say Yes!」
という原則があります。これは、ハワード・ビーハーの言葉を借りれば、「道徳、法律、倫理に反しない限り、お客様が喜んでくださることは、何でもして差し上げる」ということ。(中略)
「イエスが一番強力な言葉だ。イエスは自由と感動だ。イエスは許しだ。自分と他人に夢見るチャンスを与えることだ。イエスと言えば心が豊かになる」 

p154
与えられたミッションは、自分の中で議論し、咀嚼して初めて自分のものになります。本社や本部、リーダーは、考えるスタッフを育て、彼らが現場で判断したことを全力でサポートしなければならないのです。 

p166
ディズニーやリッツ・カールトン、(中略)かれらはテーマパークやホテルステイ(中略)を売っているのではありません。感動を売っているのです。だからこそ、他のテーマパークやホテル(中略)とは一線を画していて、同業にライバルは見当たりません。もう少し考えを進めれば、スターバックスのライバル、あるいは同業は、決してタリーズコーヒーでもドトールコーヒーでもなく、ディズニーやリッツ・カールトンなのではないか。(中略)お客様が本当に求めているものは、コーヒーではない。テーマパークでも、ラグジュアリー感あふれるホテルでもない。感動体験なのです。

p176
ミッションの大切さ
  1. 社会は常に変化しており、「想定外」の連続。すべてのケースを事前に想定してマニュアルを作成することは到底不可能。「想定外」のときにむしろ重要なのは、原理原則である。
  2. 同じ企業と言っても、そこに集まる人はさまざまな価値感を持っている。みんなを同じ方向に向かわせるには、目印となる明確なゴールが必要になる。
  3. ミッションを高く掲げることによって、それに共鳴する人たち、つまり最初から目指す方向が同じ人たちが入社してくる。
  4. ミッションとは、通常とても崇高なもの。それを目指していると、社員のモラルが高くなっていき、離職率が減る。
p189
必要なのは、どうするべきかというミッションを考え、それを自分の言葉で周囲に納得してもらう人間性なのです。

p191
磨かなければならないのは、社内での経歴ではなくて、どこに出ても役立つ自分のスキルなのです。同じ会社で働き続けるということは、その事実に気づかないリスクでもあります。だから私は、会社のミッションと同時に、自分自身のミッション、言い換えればどの会社で働こうと変わらないミッションを持とうと強く考えるのです。

p242
ひとつのことを、一生やり続けられると、確信する日がくる。 ―スティーブ・ジョブズ

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